中古住宅促進に公的なIDを付与するというニュースに関して。スタジオ・カフェ仕様を優遇してほしい。
先日、日本経済新聞や財経新聞で、中古不動産に公的なIDを付与する仕組み作りを、国土交通省で進めているという記事が出ていました。IDを付与して取引履歴を集約することで、過去の成約価格の推移やリフォーム実績の有無などを一覧できるようにするようです。
不動産に「履歴書」導入 国交省、中古住宅の流通促進 :日本経済新聞
中古住宅の流通促進へ 国交省が不動産に履歴書付与 : 財経新聞
中古住宅の流通を目的として、住宅の造りや性能、リフォームや点検の記録を蓄積し、整備します。既存の不動産物件情報交換のネットワークシステム『レインズ』に機能を付け加えるようです。
さてここからは、当ブログの推測になります。すでにレインズのシステムがあるので、まず170万件の登録物件にIDのセル(恐らくデータベース・アプリケーションなので)を追加するのは簡単です。(準備)
次に、IDを別のサーバーに写して、『不動産の履歴書』に相応したデータベースを構築します。したがって新しく作るのは、この履歴書のデータベースと、IDでレインズの情報と不動産の履歴書の情報を表示するユーザーインターフェイスになるのかなと思います。(課題1)
最後に、誰がこのデータベースに登録をするのかという問題があります。強制ではないと思いますが、新築時・定期点検時・リフォーム時、ちょっとした手間が建築業者に発生しそうです。(課題2)
登録すべき(あったら良い情報)というものも無数に存在します。戸建リノベというウェブサイトによれば、あったら良い情報としては、以下のものが指摘されています。
■契約書類
契約書、保証書(住宅性能保証制度)、引き渡し書、施工引き渡し確認書、備品リストなど
■調査評価書
地盤調査報告書、住宅性能評価書、住宅検査報告書など
■住宅設計図書
意匠図、構造図、備図、建築確認申請書類、取扱説明書など
■施工記録
建築途中図書、工事工程表、工事経過報告書、工事記録写真、業者一覧表など
■維持管理記録
(出典:不動産に公的IDを発行して取引履歴を管理?!中古住宅促進に「履歴書」?! | 戸建てリノベINFO)
これらの書類も作成状況や保存状況は、建設業者や設計事務所によってまちまちです。それらを絞り込んで登録する事もなかなか大変そうです。(課題3)
準備段階はとても簡単で、役に立つものだけど、よく考えてみると運用が難しい。というのがこのニュースの印象です。けれども、今のところ個人の努力になっている住宅関連書類の保存をシステムとして何か出来ないかという、ちょっとしたベンチャースピリットも感じます。
当ブログの要望としては、どうせ作るなら自宅カフェとして設備要件を整えたものや、自宅スタジオとして防音状況を整えたものは性能の評価状況とともに履歴書に残るようにしてほしいです。この方面での高性能住宅はまだまだ不足していると思います!
読んでくれてありがとうございます。よかったら読者登録をお願いします。