フリーランス。かなりダメ状態から、何かあったらダメ状態までの道のり。
かれこれ、僕もフリーランスは6年か7年目ぐらいになるけど、本当にきびしい。ここでは、僕の個人事業が創業当初のかなりダメ状態から、何かあったら事業がダメになりそうな状態まで進歩(だと思う…)するまでの話をしよう。
一般的に考えれば、中小企業は就職先として魅力が無いかもしれないし、銀行にペコペコ頭を下げているのはかっこ悪いと思うかもしれない。けれど、僕の創業当初のキラキラ無敵状態から見ると事業が回っているだけマシに思える。
以前書いたが、数年前に会社をクビになった僕は、事業を立ち上げた。事業内容には自信があったが、知り合い(大学時代の友人)以外にはどうやって営業をすればいいのかまったく分からなかった。
とりあえず、幾らかの退職金があったので、融資を受けて資金を増やすことにした。言われるがままに書類を書いて自治体の制度融資に申し込んだところ、結構な金額を融資して貰えることになった。いわゆる、設備資金だ。
融資を受けた設備資金の転用は絶対にダメなのだけど、そんなことは知らず、会社には資金集めが必要という考えのもとに高額な見積書を取りまくった。結果、高額の融資の一歩手前まで来た。
その段になって、設備投資を遅らせるので運転資金で同額を融資して貰えないか聞いた。そうしたところ、こっぴどくお叱りを受け、銀行と保証会社の印象を著しく損なった。かくして融資は減額され、退職金と少額の運転資金融資と融資打ち止めとともに僕の事業はスタートした。
その運転資金を完済した今だから言えるが、事業計画は恐ろしく楽観的なものだった。予定通り高額の設備資金を借り入れていたら、かなり酷い事業の破綻に到っていたと思う。
創業当初は今から見てもお金を稼ぐ事に縁がなかった。友人の手伝い(入金があったりなかったり)したり、手作りの変なチラシを近所に配布したり、営業先とやり方がまったく分からなかったりなどという状態で、みるみる手元資金は減っていった。
数ヶ月後には東京から撤退を考えていた。そして地方のマンション(自宅カフェのあるマンション)を買ってさらに資金を減らした。マンションは貸して賃料を得れば、安定的な収入となってとても魅力があるように思えた。また、地方の拠点として自分で使うことも考えた。
お金を使うことで事業を展開していこうという考えに嵌っていると、事業資金はいくらあっても足りない。僕にとって創業時に必要なことはもっと人に会って、出来ることを探していくことだったと今になって思うが、事業主としては絶望的にシャイだった。
・・・その後
地方に拠点を移したり、アルバイトしたり、再就職して合わなかったり、役所でパートをしてみたりしながら、ようやく自分でなんとかしないといけないと思うようになった。
そして、ブログを書いたり、プログラムを作ったり、仕事をくれる人を見つけたりしながら、かろうじてお金が回るようになってきた。景気の影響を非常に受けやすく、先行きにはつねに不安がある。学ぶことはほとんどせずに、目先の仕事をこなすことに手一杯だ。
まぁ、なかなかダサい感じに仕上がったけど、とりあえず事業が回っていることを良しとしている。融資や出資を受けて大きなことをしてみたいとも思うこともあるし、学んだことを活かして社会に貢献したいという思いもあるが、当分先の話になりそうだ。
思い返すと、ターニングポイントは、創業時の胆力不足だったかと思う。圧倒的な資本力がないのなら、がむしゃらになって1つのことをやることを創業時の自分へのアドバイスとしたい(お金にならない仕事も多々ある)。
今は事業を回すことだけが1番の優先になっている。世の中で認められるほどでもなかった自分の能力を磨くことも止めてしまって、小銭を稼ぐ。「これでいいのか?」と思ったりもするけど、流されてたどり着いただけなので、不思議に後悔はないのです。
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